篠原研究会をもっと面白くする3つの視点――卒業生が語る過ごし方
- 4月8日
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篠原研究会を卒業した卒業生に、SFCや研究会での学びについて伺いました。
今回お話を伺ったのは、研究会に2年所属した渡邊さん(2025年度秋卒業)です。これから篠原研究会に入る学生に向けて、どんなことを心がけておくと充実した時間が送れるかを教えていただきました。
1. 特プロを研究会との心の距離を縮める機会にする
まず、篠原研究会に入ったら、「特別プロジェクト(特プロ)」には、前のめりに参加することを強くおすすめします。
私は3年の春から研究会に在籍し、計2回の特プロを経験しましたが、振り返ってみてもこの時間が最も濃く、思い出深いものになりました。現時点での篠原研究会の特プロは主に「政策コンペ」への出場を軸に動いていますが、これは単なる「課外活動」や「与えられたタスク」の枠に収まるものではありません。
一つのアウトプットに向けてメンバーと議論を戦わせ、時には深夜まで泥臭い作業を共にする。このプロセスを経て初めて、メンバーそれぞれの思考の癖や、心の底にある関心領域、そして飾らない「人間性」に触れることができます。
ここで濃密な時間を過ごし、篠原先生やメンバーとの心理的距離をグッと縮めておくと、その後の研究会生活の質が圧倒的に変わります。お互いのバックグラウンドを深く理解している仲間がいれば、ゼミでの議論は単なる「ロジックのぶつかり合い」ではなく、「共通言語を持った対話」へと進化するからです。自分一人では到達できなかった視点を、信頼できる仲間がパスしてくれる。
そんな「共創」の土台を作るのが、特プロという場なのだと思っています。
正直に言えば、妥協せずにやり抜こうとすると、特プロはかなり時間を取られます。学業や私生活とのバランスに悩む瞬間もあるかもしれません。しかし、長期的な視点で見れば、そこで得られる人間関係と「考え抜く体力」は、何物にも代えがたい資産になります。
研究会というコミュニティを単なる「授業の場」にするか、一生モノの「居場所」にするか。その分かれ道は、特プロへのコミットメントにあると言っても過言ではありません。
ぜひ、優先順位を上げて飛び込んでみてください。
2. 「これをやりたい!」という主観的な関心の軸を持つ
篠原研究会が掲げるビジョンを「羅針盤」にするならば、皆さん自身の主観的な関心は、研究を進めるための「エンジン」だと思います。
最初から学術的に非の打ち所がない問いを立てようと、背伸びする必要はありません。「この地域が好きだ」「この制度のあり方に違和感がある」「この文化を絶対に絶やしたくない」……。そんな、個人的で熱い動機こそが、研究プロセスのガソリンになります。
もちろん、最初から完成されている必要はありません。地域やテーマといった「自分の主戦場」さえ決まっていれば、あとは篠原先生がその熱量を学問的な深掘りへと導いてくれます。
篠原研究会において、研究の方向転換やピボットはむしろ歓迎されるプロセスです。しかし、最初から「何でもいい」と受け身でいるのと、「これがやりたい」という軸を持っているのとでは、その後の学びの解像度に差が生まれます。
自分自身の内側から湧き出る「主観」を、調査や分析を経て、社会に通用する「客観」へと昇華させていく。そのエキサイティングな変化を楽しむための「自分だけの軸」を、ぜひ恐れずに提示してみてください。
3. 「研究会以外」の活動を、研究のスパイスにする
私が在籍していた頃の篠原研究会を見渡すと、研究会という枠組みの中に閉じこもらず、外の世界で全力疾走している仲間が本当に多かったです。学業やサークルはもちろん、スポーツ選手として結果に向き合う人、事業をする人、難関資格に挑む人、組織を動かす人など、それぞれが「自分の足」で立って努力しているベースがありました。
一見、研究とは無関係に見えるこれらの活動こそが、実は研究テーマにも独自性をもたらしてくれます。「行政」や「政策」という言葉は、机の上だけで論理を組み立てようとすると、どうしても固く、無機質なものになりがちです。
しかし、実際に現場で汗をかき、思い通りにいかない現実に直面して初めて得られる「手触り感のある違和感」や「現場の温度感」があります。その摩擦こそが、既存の論文にはない、あなただけの視点へと変わるはずです。
「研究に集中するために他の全てを捨てる」のではなく、「外の世界で勝負し、その経験を研究に還元し、両方を相乗効果で加速させる」。そんな欲張りでバイタリティ溢れるスタンスこそが、篠原研究会での時間をより豊かにしてくれると思います。
2025年度秋 篠原研究会卒業生
渡邊光祐(総合政策学部)




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